日本郵政(6178)の株価分析
3秒で分かる日本郵政株まとめ
・業績横ばい
・危険な高配当株
・政府の大量売りが株価を下げる
日本郵政の基礎知識
事業内容
日本郵政グループの持ち株会社です。
・日本郵便(非上場)
・ゆうちょ銀行(7182)
・かんぽ生命(7181)
有名3社は日本郵政グループの子会社です。
日本郵政の株価分析(現状)
株価の推移(チャート)
10年チャート出典:Yahoo!ファイナンス
上場前は「超大型株の上場!」とか言って派手に騒いでいました。
しかし、上場後は株価急落。
その後3年程持ち合い状態でしたが、かんぽ生命の不適切販売をきっかけに1,200円の支持線をブレイクダウンしてしまいました。
ラインブレイクに関しては2年チャートで見た方がよく分かりますよ↓
2年チャート出典:Yahoo!ファイナンス
1,200円を割った瞬間に下げが加速しているのが分かると思います。
チャート分析ではライン(支持線・抵抗線)の重要性がよく分かりますよね。
このタイミングを狙って全力空売りを仕掛けた人もいるかもしれません。
株価が下がる理由
日本郵政株が下落する一番大きな原因は「国による日本郵政株売却」です。
実は日本郵政株の大半は国が持っています↓
出典:日本郵政
この株を2022年までに1.2兆円分売却するという計画があります。
つまり、機関投資家よりも強力な「国」という超大型巨人が10億株も売却してきます。
この売却計画を知っている機関投資家は当然買いませんし、無知な個人が少々買ったところで焼け石に水状態。株価はピクリとも動きません。
株価が下がるのは必然と言わざるをえませんよね。
参考指標
株価:1016.5円
PER:9.79倍
PBR:0.30倍
配当利回り:4.92%
自己資本比率:4.6%
ROE:3.61%
EPS:118.57円
*2019/11/23のデータ
配当利回りは5%近くありますが、これは株価の下落による影響もあります。
高い配当ばかりに目を奪われると株価下落による損失リスクがあります。
売上高の推移
2015年:14兆2,588億円
2016年:14兆2,575億円
2017年:13兆3,265億円
2018年:12兆9,203億円
2019年:12兆7,749億円
利益の源泉である「売上高」が急落しています。
成長産業ではないことからも容易に想像できる現象です。
当期利益の推移
2015年:4,826億円
2016年:4,259億円
2017年:-289億円
2018年:4,606億円
2019年:4,794億円
2017年は赤字転落。
*2015年に買収したオーストラリアの物流子会社・トール社を減損処理(4,000億円の特別損失)が原因です。
2017年を除いても利益は横ばい状態です。
やはり、成熟市場で他企業とのシェア争いはキビシイみたいですね。
まとめ
現段階で日本郵政株を買う理由は見当たりません。
国による売却が一段落するまでは買い控えた方が賢明です。