ANAホールディングス(9202)の株価分析。
まずは結論から
▼ANA株まとめ▼
・コロナの影響で売上80%減
・株価は低迷中
・投資チャンスではある
・しかし、レワード比は低め
・今後の展開次第では危険性大
結論からいうと投資するのはオススメできません。
すぐに倒産する可能性は低いですが、リスクが大きすぎるからです。
その理由を詳しく見ていきましょう。
Contents
ANAホールディングスの基礎知識
事業内容
航空業がメイン
国内線・国際線ともに首位で、LCCのピーチが傘下にあります。
国内最大の航空会社です。
事業割合(セグメント)
航空:83%
旅行:7%
航空関連:3%
商社:6%
その他:1%
8割以上が「航空業」
つまり、ANAの「主な収入源=搭乗客からのチケット代金」です。
そして、問題点は莫大な維持費(月額450億円)が発生することです。
*航空業界のコスト構造について詳しく知りたい人は↓(2:10~3:55)参照。スカイマークの会長さんが分かりやすく説明してくれていますよ。
ANAは事業規模が大きく、国際線も多く運航していたことでダメージも大きくなっていることが分かります。
そんなANAに対する市場の反応は?
まずはチャート分析から始めましょう。
ANAホールディングスの株価分析(現状)
株価の推移(チャート)
10年チャート出典:Yahoo!ファイナンス
アベノミクス相場(2013年~)で2倍超まで上昇した株価はコロナショックで大暴落。
オリンピック銘柄として期待されていましたが、状況は一変したようです。
*投資の神様と言われているウォーレン・バフェット氏が航空会社を全株手放したという報道もあります。
(航空業界の)今後の展開が絶望視されているため、逆張りに成功したら利益になるかもしれませんが、危険度は高めです。
さらには航空会社はこれまでに何度も倒産(JAL、スカイマークなど)しています。
回復を見越しての資金投下はオススメできませんね。
2年チャート出典:Yahoo!ファイナンス
小さめのリバウンドは入っていますが、上昇圧はとても弱い状態です。
*W底に見えますが、チャート形はあまり当てになりません。
また、今の地合いは日銀の買い支えあってのものです。
短期的にはエントリーチャンスに見えますが、アフターコロナ世界次第では危険なポイント(ワナ)かもしれません。
参考指標
株価:2,709.5円
PER:–倍
PBR:0.94倍
配当利回り:–%
自己資本比率:33.9%
ROE:2.56%
EPS:82.66円
*2020/9/7のデータ
コロナショックに伴う資金調達(5,000億円借り入れた)のため、自己資本比率が大幅に下がっています。
*前回までは自己資本比率=41.4%でした。
**ANAは固定費が大きいため、月に約450億円の固定費が必要です。
現在、ANAは5700億円の資金を持っているので1年程は耐えられる計算です。
とはいえ今後の展開次第では国の援助が必要になるかもしれませんが・・。
*国が援助するとは限りません。
売上高の推移
2016年:1兆7,911億円
2017年:1兆7,652億円
2018年:1兆9,717億円
2019年:2兆583億円
2020年:1兆9,742億円
コロナ直撃が3~4月頃だったので、売上はなんとか保たれています。
しかし当期利益はというと・・↓
当期利益の推移
2016年:781億円
2017年:988億円
2018年:1,438億円
2019年:1,107億円
2020年:276億円
2020年の利益が激減しています。
現状が長引いて客足が回復しないようなら株価もジワジワ下げていくでしょう。
まとめ: ANAホールディングスの株価予想(今後)
投資長の見解
キケン要素満載。
今後の展開が絶望視されているだけに絶好の投入ポイントでもあります。
*多くの市場参加者がビビッて引いている場面は投資チャンスです。逆に大勢の人が買いまくって株価が高騰している場面はかなり危険です。
しかし、期待できる利益よりもキケンの方が大きいため投資はオススメできません。
すべてはアフターコロナ世界の状況次第ということになりますね。
ちなみに、オリンピック自体は強引にでも開催する計画のようです↓
オリンピック開催準備にかけた莫大なコストを考えると中止にはできない模様です。
YouTubeのコメント欄にはいろいろ書いてありますが、お金は重要です。
オリンピック開催によって世界中の人が日本に来るか否か。
果たしてソフトバンクのようなV字回復は見られるのでしょうか。
*ソフトバンク株の暴落⇒V字回復はANAとは状況が全く違います。