個別銘柄の分析

日産自動車(7201)の株価分析|なぜ上がらない?その理由を徹底解説します。

日産自動車の下げが止まりません。

およそ6年ぶりとなる安値を更新してさらに下げ続けています。

出典:Yahoo!ファイナンス

「でも安い今が買い時?」

「買わない方が良いの?」

投資初心者は迷うかもしれません。

そこで、この記事では日産自動車の株価を分析し、私の見解を述べていきます。

日産の株価が上がらない理由

日産の株価が上がらない直接的な原因は「機関投資家が買わないから」です。

これはいつも言っていますが、大口投資家が資金を入れてこない限り株価は上がりません。

・個人の買い:株価静止

・巨人の買い:株価動く

ではどうして機関投資家は日産の株を買わないのでしょうか?

以下、分析していきます。

 

日産の株価分析(現状)

株価推移(チャート)

出典:Yahoo!ファイナンス

ここ1年以上、日産の株価はダラ下げモードに入っています。

この下げは本質的な問題を含んでおり、日経平均の動きとは無関係です。

*大型銘柄はある程度日経平均株価に影響を受けます。

出典:Yahoo!ファイナンス

ここ2年の日経平均は横ばい状態にあり、下げ相場ではありません。

・日経平均:横ばい

・日産自動車:下落

では日産が抱えている本質的な問題とは何か?

以下、説明します。

 

参考指標

株価:672.5円

PER:15.48倍

PBR:0.51倍

配当利回り:5.95%

株価は安く、配当利回りが高い状態です。

少額でも投資できるし、指標だけ見ると何だかお得?感があるかもしれません。

まずは、ここまでの配当利回りになるまでの推移を見てみましょう。

 

配当利回りの推移

2014年:3.30%

2015年:2.69%

2016年:4.04%

2017年:4.41%

2018年:4.80%

2019年:5.93%

見れば分かるように、日産自動車はどんどん増配しています。

これは日産自動車のHPにも記載があります。

出典:日産自動車

2010年から連続増配しています。

「こんなに配当が出せるってことは買いでは?」と思うかもしれません。

しかし、肝心の営業利益を見てみると↓

 

営業利益の推移

2015年:5,895億円

2016年:7,932億円

2017年:7,422億円

2018年:5,747億円

2019年:3,182億円

2020年:2,300億円(会社予想)

恐ろしい減り方をしているのが分かりますよね。

つまり、利益は減っているのに増配している状況です。

「配当だけ見て投資するのはちょっとヤバい・・。」と感じるはずです。

 

日産自動車の配当はなぜ高いの?

配当額を決めるのは企業ですから、これは「日産が決めたから」です。

しかし、上で説明したように肝心の利益は減っています↓

当然、この増配ペースを維持するのは難しく、減配の流れは必然と言えます。

*減配すればさらに株価は下がります。

つまり、何か抜本的な改革が成されない限り株価が上がることはないでしょう。

 

日産の株価予想(今後)

自動車業界が成熟している今、飛躍的な売り上げを出すのは難しいでしょう。

・残された手段は合併等でしょうか?

・どうやってこの危機を脱出するのか?

今後の動きに注目したいと思います。

 

空売りすればいいの?

空売りはリスクが高いのであまりおすすめできません。

それこそ本当に合併などの話が出たら株価が跳ねる可能性があります。

今、弱っているからと空売ると思わぬカウンターを喰らう危険性もありますよ。

 

まとめ

日産自動車の株が下げているのは減益の影響です。

どんなに配当を上げてみても、儲からない企業の株は下がります。

ちなみに、日産はNISA買い付けランキング4位にいます↓

出典:SBI証券

*NISAで買うのは個人です。株価を押し上げるのは巨人(機関投資家)です。

おそらく高配当や割安感からの買いでしょうが、株価自体が下げたら当然損します。

どうしても日産を応援したいなら話は別ですが、私なら買いません。

日産にはカッコイイ車も多いので、個人的には何とか増収に転じて欲しいと思っています。