別記事で紹介した『バブル銘柄』は似たパターンのチャート形を描きます。
*バブル銘柄については以下記事参照
これは相場参加者の心理状態が資金の出入りという形でチャートに見事に反映された結果です。
*相場では似た現象が繰り返し起きるので、危機回避のためにも基礎知識はしっかり身に付けましょう。
この記事では主にバブル銘柄が天井を打った時に出現するチャート形を紹介します。
天井圏の値動き①
次の図はラオックス(8202)の上昇から下落までの2年間を記録した日足チャートです。*実際のチャートを証券ツールで確認してみましょう。
赤丸の天井圏にあたる値動きだけ独特の動き方をしているのが分かるでしょうか?
少し拡大してみると次のようになります。「天井圏の値動き」には次の3つの特徴があります。
①上下動が大きい
②高値を2度試す動き
③高値更新に失敗すると下落へ
①上下動が大きい
天井圏では長いローソク足の出現頻度が高く、値動きの上下動が激しくなります。
このチャートでも株価が大きく波打っていることが読み取れますね。
②高値を2度試す動き
これはバブル銘柄では特によく観察される天井圏独特の値動きです。
株価は一度付けた高値を更新しようと2度試みていることが読み取れます。続伸を試みていますが、もうこれ以上の上昇ができない様子が見てとれますね。
③高値更新に失敗すると下落へ
2度の高値更新に失敗すると株価は急落しています。この急落が発生するまでに「天井圏の値動き」であることに気付く必要があります。
この天井圏独特の値動きが観察された後は、これまで1年にも渡って続いてきた上昇トレンドが一転、下げトレンドへと転換しました。トレンドが転換してからは下げ一色となり、上昇前の水準まで帰るのは早く、それから株価に上昇の兆しは見られません。
天井圏では華やかな値動きを見せるため、初心者は特に注意しましょう。
天井圏の値動き②
次の図は蛇の目ミシン(6445)がバブル化した時の日足チャートです。株価は上昇開始から約2ヶ月で天井に到達し、1ヶ月ほどで天井圏の値動きを形成した後、失速(ストール)しています。
そして注目すべきは「天井圏独特の値動き」です。長いローソク足の出現頻度が高く、値動きの上下動が大きいことなど、上で紹介した天井圏の値動きそのものです。
そして、一度付けた高値を更新しようとする試しの値動きも同じように観察されます。一旦調整の下げをはさんだ後、高値更新を2度試みているのが読み取れますね。
そして2度目の高値更新に失敗した直後、急激に失速(ストール)が起きています。
その後はトレンドが転換し、約1年かけて元の株価水準まで下降して行きました。上昇トレンドの継続期間こそ異なりますが、この銘柄で起きている現象は上で紹介したラオックスと同じです。
天井圏の値動き③
天井圏の値動きはビットコイン相場でも見られました。*ビットコインの日足チャート
・値段の激しい上下動
・高値を2度試す動き
・高値更新に失敗して失速
きっちり3点そろっていますね。
値段の激しい上下動
大きな陽線・陰線が目立つのが天井圏の特徴です。
値段が急上昇する「バイイングクライマックス」が天井圏の開始となることもあります。
高値を2度試す動き
一度付けた高値を2度更新する動きがみられますね。
これも天井圏独特の値動きとしてよく出現します。
高値更新に失敗して失速
ここに巻き込まれたら一巻の終わりです。
2度の高値更新に失敗したらすぐに逃げましょう。
まとめ
以上のように「天井圏の値動き」は様々なチャートで観察されています。
最後にもう一度「天井圏の特徴」をまとめておきます。
①値動きが大きく上下動
②高値を2度試す動き
③高値更新に失敗すると下落へ
*③が起きるまでに天井圏だと気づく必要があります。
天井圏で買いを入れる初心者が多く、さらに損切りもできないと悲惨なことになります。
天井圏の値動きによる「ねこじゃらし効果」に飛びついたら最後、その後は下げていくだけなので打つ手なしという状況に陥ってしまいます。
*これを「必殺高値掴み」というので覚えておきましょう。
相場慣れした者が見ると「天井圏では?」と察知できますが、初心者は特にこの「天井圏の値動き」に惑わされやすいため注意が必要です。