株の基礎知識

【株式投資】逆指値で損切り注文を入れる時の注意点|ストップ狩りとは?

あなたは逆指値注文を使ったことがあるでしょうか?

逆指値注文は証券会社の取引ツールに搭載されている便利な機能です。

・この値段まで下げたら売り

・この値段まで上げたら買い

個人投資家の中にはこのような戦略で株の売買を行っている人もいることでしょう。

*とくに損切り注文を逆指値で出す人は多いはずです。

しかしある特定の状況において、人は意外と似たような行動を取ってしまうのです。

自覚はなくても、まるで魚の群れのように同じ行動を取っているのです。

そして、相場の巨人はそんなカモの魂胆など全てお見通しなのです。

ここではそんな巨人が仕掛けてくる攻撃の一例を紹介します。

 

アークン(3927)で解説します

【1日目】:ストップ高

ある日、25日移動平均線から大きくマイナス乖離していたアークン(3927)は突如上昇に転じ、ストップ高を付けました。

*激しいマイナス乖離で需給の差も大きく乖離。売り手不在の中、買い手が殺到した結果と考えられます。

さすがに下がり過ぎていたか。ここから上昇に転じるのか!?

全市場注目の中、上昇2日目の幕開けとなりました。

 

【2日目】:一旦ストップ高になったが・・

*アークン(3927)の3分足チャート

この日は上図のように、寄り付きこそギャップダウン(株価が前日終値より下げた状態で寄り付くこと)となりました。

しかし、すぐに上昇に転じて三角持合いという名の押し目を経た後、さらに続伸。

再度の三角持合いの末、株価はストップ高に達しました。

これだけきれいな上昇トレンドなら、上手く買いを入れることに成功し、利益を伸ばせているデイトレーダーも多いことでしょう。

上昇開始の早い段階でリスクを取りに行けた人は「もう十分」と考え、どこかで利確した人もいるでしょう。*デイトレ戦略の一例

しかし、買いに入るのが遅れた人はまだホールドしていて、翌日の上昇でさらに利益を伸ばそうとしている人もいます。

そして、そんな人はたいてい次のような黒線2本で挟まれた価格帯にストップ注文を逆指値で仕込みます。なぜそのような行動をとるのでしょうか?

それは「もし下げてきたら怖いから」です。

ストップ高に張り付いてはいますが場中に下げない保証はないので、投資家たちは利確or損切り注文を上図の価格帯に仕込んでおくのです。

あなたも似たようなことをした経験があるかもしれません。

が、しかし、同じようなことをする人は大勢存在し、また相場の巨人たちはそんなこと百も承知なのです。

あなたは普段、エントリーする時に、彼ら巨人たちの存在を意識していないかもしれません。

しかし、こういった場面では彼らは極めて危険な存在であり、何を仕掛けて来るのか知っておく必要があります。

相場の巨人はその巨額の資金量にものを言わせ、一時的に株価を操作することができます。

そして、個人投資家の魂胆など全て筒抜け状態であり、どの価格帯にストップ注文が溜まっているのかも知っています。

もし彼らがこの銘柄の株価を明日も吊り上げるつもりでいるのなら、上昇後に売り圧となる、現在買いホールド中の個人投資家は極めて邪魔な存在になります。

株価を上昇させるためにも、また、より高い値段で利益を確定させるためにも、邪魔な存在は消しておかなければなりません。

一方個人投資家はそんなことはつゆ知らず、一安心して明日の上昇に期待しています。

「明日もストップ高になったら大儲けだ」などと妄想しているかもしれません。

しかし、相場はそんなに甘くはないのです。

場が引ける30分程前、その時は訪れました。

 

相場の巨人襲来!

その時、チャートに大陰線出現。

こういったスパイクはよく見かける光景ですが、もちろん偶然出ているわけではありません。

これこそが相場の巨人が得意とする仕掛けの「ストップ狩り」なのです。

このスパイクにより、個人投資家たちの逆指値注文は全て作動。

巨人にとっての邪魔者は一掃されたことになります。

そして、邪魔者がいなくなったことを確認すると巨人はどうするか?

一転、上昇に向かうのです。

しかも、再び邪魔者が買いを入れないように一瞬のうちに急上昇。

チャート上では次のようになります。

実に見事なものですよね。

ブルーインパルスのパイロット並みのテクニックで邪魔者を一掃。

次の日も当然のように株価は上がって行きました。

 

まとめ

何の工夫もない戦略では巨人の思う壺なので「カモられて終わり」です。

個人の動きは巨人に筒抜けになっていると肝に銘じておくべきです。