「デイトレードで儲けたい!」
「板読みをマスターしたい!」
デイトレードは人気の投資スタイルなので興味をもつ人が多いかもしれません。
しかし、短期投資は極めて過酷な世界なので無知では絶対に勝てません。
そこでこの記事ではデイトレに参加する前に最低限身に付けておくべき知識を詳解します。
Contents
板読みとは?
板読みを簡単にいうと「板情報から取引相手の心理を読みとる能力」です。
板情報とは次の2つの要素を意味します。
①指値注文表
②歩み値
①指値注文表(赤枠部分)
出典:SBI証券
指値注文表(板)には「まだ約定していない注文」が並んでいます。

②歩み値(画面左側)
出典:SBI証券
画面左側の歩み値には「実際に約定した注文」が流れていきます。
ここは肝心なところなのでしっかり押さえておきましょう。
①板:約定していない注文
②歩み値:約定した注文
*この2つの情報をメインとして、相場に参加している相手の心理を読み取る作業を「板読み」といいます。
板読みでは個人の動きよりも巨人の動きを重視します。
*巨人=大口投資家
その理由は、値動きの大半は巨人の売買によって作られるからです。
例えば次の2つの注文を見てみましょう。

・青色(個人)の注文
878円×200株=17万円
・赤色(巨人)の注文
877円×257900株=2億円
つまり、巨人は個人の1000倍以上の力を持っているのです。
当然値動きに与える影響力も個人の比ではありません。
さらには、巨人は巨額の資金量にものをいわせて「一時的に値動きを支配する力」を持っています。
分かりやすくいうと、巨人は個人をワナに嵌めてカモってくるということ。
何も知らずにデイトレに参加すると巨人の思うつぼです。
これを防ぐ唯一の手立てが「板読み」であり、それゆえデイトレには板読みが必要なのです。
*チャートだけでは巨人をはじめとする「他の参加者の動き」が分かりません。
そして、値動きを作り出せない個人がデイトレで勝つための唯一の手段が「巨人が作り出す値動きに便乗すること」です。
コバンザメのように巨人に寄り添い、利益を享受するために必要なのは次のような情報です。
「相場に参加している巨人は買っているのか?売っているのか?」
*当然奴らも何の根拠もない売買はしません。
このような基本事項からさらに高度な駆け引き(詳しくは後述)までを板読みによって行うのです。
つまり、デイトレにおける板読みとは麻雀における「捨て牌を読む能力」に他なりません。

麻雀でカモられる人は自分の手牌だけを見ているのに対し、プロは捨て牌を見ています。
同様に、デイトレでカモられる人は分足チャートだけを見ているのに対し、プロは板読みをしています。
もちろん麻雀も株も「マグレ勝ち」は起きますが、長い目でみると捨て牌や板が読めるプロには勝てません。
そもそもやっていることが違うので絶対に勝てないのです。
*情報格差というよりは完全に別のルールでゲームしているようなものです。
このことが分かればデイトレに参加するのであれば板読みを身に付けることが絶対条件だと分かるはずです。
以降、板読みに必要な知識やツールの解説に入ります。
板読みに必要な知識
まずは板読みに最低限必要な知識を10項目ほど並べておきます。
板読みがどのようなもので、巨人が何をしてくるのかを理解しましょう。
Step1:板読みの基本
板読みは板情報と歩み値を合わせて読解していきます。
対戦相手の売買行動を読み取るために、まずは板読みの基本から身に付けましょう。

Step2:見せ板
相場には多くのワナが張り巡らされており、知識がないと簡単にトラップインしてしまいます。
弱肉強食の世界で生き延びるためには知識を付けることが大切です。

Step3:アイスバーグ注文
多くのワナは普通に見える状況に潜んでいますが、正しい知識があれば見破ることができます。
仕掛けのパターンを知っていればワナを回避できるのです。

Step4:板読みのタイミング
板読みはデイトレには必須の武器ですが、高い集中力を要するため1日中見続けることは困難です。
ここでは板読みを使う効果的なタイミングについて学びましょう。

Step5:歩み値
板読み=板情報+歩み値であり、板読みに歩み値は欠かせません。
多くの情報を与えてくれる歩み値を読解する時に注目すべきポイントを学びましょう。

Step6:テクニカル分析との合わせ技①
チャートしか読めないデイトレーダーの行動基準はテクニカル分析です。
デイトレにおけるテクニカル分析はあなたの行動指標ではなく、他の参加者の行動を把握するための参考指標として活用しましょう。

Step7:テクニカル分析との合わせ技②
テクニカル分析で大まかな値動きを観察して、板読みで仕掛けの正確なタイミングを取ることが最も効率的です。
板が読めれば他の参加者の売買行動もよく分かるでしょう。

Step8:板読み練習(レベル1~8)
板読みの具体的練習方法とあなたの板読みレベルについて解説しています。
デイトレは職人技なのですぐに身に付くものではありませんが、いばらの道を選びたい方はこちらへどうぞ。

Step9:板読みエントリーの根拠と手順
板読みでエントリーする時の根拠とすべき現象、およびエントリーの具体的手順(考え方)について解説しています。
実際に使えるようになるまでには相当の鍛錬が必要となります。

Step10:テクニカル分析の位置付け
テクニカル分析は便利な相場分析手法ですが、テクニカル単体で勝ち続けることはできません。
株式トレードにおけるテクニカル分析の位置付けについて理解しましょう。

番外編:板読みの教科書(電子書籍)
さらに板読みを極めたい場合は以下の本(電子書籍)がおすすめです。
板読みの基本から発展テクニックまでがとても分かりやすく記されています。
余裕がある場合は価格帯別出来高についても学び、実践で使える指標を増やすと良いでしょう↓
この2冊をマスターして、板読みの基礎知識を網羅したら後はひたすら実践するだけです。
上で挙げた2冊の本はAmazonが運営するkindleという電子書籍限定です。
本屋には置いてありませんが、「kindle unlimited」の無料お試しを利用すればタダで読めますよ。
板読みに必要なツール
板読みデイトレーダーに必須の取引ツールが2つあります。
・GMOクリック証券の取引ツール
・松井証券の1日信用制度
*いずれも無料で使える取引ツールです。
なぜこの2つを装備する必要があるのか?
その理由を説明します。
GMOクリック証券の取引ツール
板読みをするのであればGMOクリック証券に口座を作って、以下の2つの武器を手に入れましょう。
・フル板
・同一気配約定情報
【フル板】
フル板を使えば次のように広範囲の板情報を把握できます。
出典:GMOクリック証券
はじめに紹介したもの(次図)よりも広範囲の情報(指値注文表)が読み取れますよね。
範囲が狭いと限られた情報しか読み取れず、現在株価の付近しか把握できません。
まずはフル板を開いて相場の様子が広く見渡せる状態を作りましょう。
【同一気配約定情報】
そして、同じくGMOクリック証券の取引ツールである同一気配約定情報とは次のような情報です。
出典:GMOクリック証券
赤と青の棒グラフが示しているのは歩み値に関する情報です。
歩み値とは取引画面の左端に流れている「実際に約定した注文」ですよ。
実戦では板情報を長時間見続けることになり、これが目の疲労につながります。
モニターをEIZO社製のものに換えてからはマシにはなりましたが、それでも板読みの疲労は相当なものです。
そんな時に役立つのがこの棒グラフです↓
出典:GMOクリック証券
このグラフは歩み値のまとめを図で表現したものです。
このグラフを見れば買いor売りのどちらが優勢なのかを一瞬で判断できます。
ちいさな数字を凝視し続ける必要がないので、かなり疲労が軽減されて長時間集中できるようになります。
以上の2つのツールを手に入れるためにもGMOクリック証券に口座を作っておきましょう。
松井証券の「1日信用」制度
上で紹介したGMOクリック証券のツールは板情報の観察用でした。
そして、ここで紹介する松井証券は注文の発注用です。
*松井証券にはデイトレ用の「1日信用」というサービスがあり、これを使うと手数料が無料になります。
手数料は決してバカにならない固定費です。
例えば1回100円の手数料がかかる場合
1度の売買で100×2=200円
1日3回の売買で200×3=600円
これを1ヶ月やると600×30=18,000円
つまり、デイトレの手数料だけで2万円近く損するのです。
しかし、松井証券の「1日信用」を使えばこれが完全無料になります。
デイトレをするのであれば松井証券に口座を作って手数料を無料にしましょう。
トレード記録の付け方

トレード記録を付けることは投資の基本であり、デイトレでも必ず何らかの記録をつける必要があります。
従来は手書きのノートやエクセルを使って記録を付けるのが主流でした。
しかし、デイトレは1日に何度も取引するため、データ量も膨大なものになります。
デイトレの記録を全て手作業で行うのは大変ですが、現在は便利なアプリがあります。
出典:カビュウ
これは投資記録を自動で集計してくれる「カビュウ」というアプリです。
スマホにインストールしておけば、後は取引結果を自動で集計・グラフ化してくれるのでとても便利です。
トレード記録を付ける時の強力な味方となるので導入しておきましょう。
*カビュウの特徴、機能は以下記事参照

板読みまとめ
デイトレはとても過酷な世界であり、生存率が低いという現実があります。
何の知識も身に付けず、また「デイトレの真実」を知らずに参戦すると高確率でカモられてしまいます。
ここで紹介した基本事項を身に付けたうえで、少額から取引を始めてみましょう。