真の板読みを知れば、チャートによるテクニカル分析だけでのエントリーが見当外れだと理解できます。
デイトレは板読みで巨人の動きを把握し、奴らの作り出す値動きに便乗することが勝利の鉄則です。
この記事では巨人の得意技であるアイスバーグ注文に便乗する方法を解説します。
*アイスバーグ注文については以下記事参照
チャート上のワナとは?
アイスバーグ注文は巨人がポジションを作る時の常套手段であり、大きな資金量と専用のツールを持つ超大型巨人だけに出せる注文方式です。
*ザラバ中にアイスバーグ注文を発見し、巨人の思惑を察知できれば大きなトレードチャンスになります。
しかしアイスバーグ注文を発見したら即エントリーではなく、奴らの作り出す値動きに便乗するためには考えなければならないことがいくつかあります。
まずは次のチャートを見てみましょう。板読みシリーズでお馴染みのチャートですが、注目するのは青丸部分です。
ここは前日最安値(前日SL)であり、多くのデイトレーダーが意識するポイントに株価が差し掛かっている場面です。
そして、ライン付近に陽線が立ったことでいかにもここから上昇しそうに見えることも以前お伝えしました。このような見え方をすると、チャートしか見ていないテクニカルトレーダーが「チャンス」と勘違いして買いを入れてきます。
つまり、巨人にとっては多くのカモをワナに嵌めることのできる絶好の「カモ狩りポイント」なのです。多くのカモが「絶好の仕掛けポイントだ」と勘違いする場面こそ、巨人には絶好のカモ狩りポイントになります。
そして巨人が動くタイミングこそ、あなたのような板読みトレーダーが仕掛けを打つタイミングでもあるということです。
ワナに対する考え方とは?
ではこの場面で何を考えれば良いのでしょうか?
板読みができる板読みトレーダーにとっては、ライン付近で陽線が立ったことは反転することの何の根拠にもなりません。
板読みトレーダーが第一に考えるべきは「巨人の動き」ですから自分のエントリー方向に巨人のサポートが付くかどうかが最も重要です。
*デイトレは常に巨人の動向を把握し、奴らと同じ方向にトレードすることが重要です。
したがって、あなたは次のように考えていきます。
①チャート上には陽線が立って、いかにも反転しそうな見え方をしている
②チャートしか見ていないテクニカルカモトレーダーがエントリーするのではないか?
③もちろんこのことは巨人も気付いているだろう
④奴らは動いているか?カモに対するワナを仕掛けていないか?
⑤ワナにかかっているカモはいるか?
⑥多くのカモがワナにかかっているようなら巨人の値動きに便乗しよう
このように考えていくのです。
巨人がワナを張っているようであれば奴らが株価を動かす方向にエントリーすることになりますし、巨人が動いていないのであればもちろん何もしません。
*巨人のサポートがないと株価はどちらに動くか分からないので、ギャンブルゲームになってしまいます。
そして、巨人の動きを観察しているこのタイミングでアイスバーグ注文が出現した時のことを考えてみましょう。
*アイスバーグ注文は巨人が動いた場合の極端な例として挙げています。歩み値にはカモと思わしきデイトレーダーたちの小さな買い注文が連続して流れて行きます。*あくまでイメージです。実際の感覚は実践の中で磨きましょう。
巨人がカモをワナにかけているらしき状況が読み取れます。
3つの観察ポイント
アイスバーグ注文が確認できた時点で超大型巨人が動いていることは間違いありませんが、ここでも注意すべきポイントがいくつかあります。
①継続時間
アイスバーグ注文の継続時間は様々ですが、一瞬確認しただけであわててエントリーしてはいけません。
一概に継続時間を決めることはできませんが、少なくとも30秒以上は継続したアイスバーグ注文が確認できないとエントリーは見送ります。
②別の巨人の存在
アイスバーグ注文が発生している時点でそこには確実に巨人がいますが、注意すべきは別の巨人の存在です。
アイスバーグ注文を出している巨人Aとは逆方向から別の巨人Bが仕掛けていないかどうか確認する必要があります。
基本的に巨人vs個人の構図であれば、ほとんど巨人が勝つので巨人側に付いてエントリーすれば良いのですが、問題は巨人vs巨人となっている時です。
巨人どうしの戦いはどちらが勝つのか分からないため、ライン際の攻防に2体以上の大型巨人が関わっていることが読み取れた時はエントリーを見送ります。
③アイスバーグ注文直後
アイスバーグ注文が個人のカモトレーダーの注文を吸収し終えた後に起こるべき現象は次の2つです。
・見せ板が消える
・一瞬にして値が大きく動く
*見せ板は出ないこともある
アイスバーグ注文を出していた巨人がデイトレのつもりなら、たった今ワナに嵌めたばかりのカモトレーダーたちの戦意を喪失させるために主要ラインを一気にぶち抜いてきます。*この大きな陰線は巨人の仕業です。
チャートだけを頼りにエントリーしたカモは支えを失うわけですが、株価が一瞬で動くため多くのカモは損切りできずにいます。
そして主要ラインを割ってしまえば買いエントリーするトレーダーの数は減り、今度は追っかけ空売りをしてくるデイトレーダーが出現し始めますから、株価はじわじわと下落していきます。ライン上の値動きさえ支配してしまえば、1日目に買っていたカモが株を手放していき、買い圧=売り圧となるまで株価は波動を描きながら進んでいきます。
以上、観察すべき3つのポイントをまとめておきます。
①継続時間は適切か?
②別の巨人はいないか?
③予想通りの現象が起きるか?
常にこの3点を意識しながら、適切なタイミングでポジションを取ります。
そして、予想が外れた場合には速やかに損切りして逃げることが必要です。
逆に、予想通りの値動きが出ているうちは「増し玉」などを使ってもOKです。大きなチャンスのときこそ同値撤退覚悟での増し玉戦法が有効です。
*一撃決まれば大きな利益が得られます。
まとめ
この記事では3つのトレード知識を組み合わせた戦法を紹介しました。
・ライントレード
・板読みトレード
・アイスバーグ注文
多くの指標を正しく読み取ることができれば、他の参加者よりも有利に立ち回れます。
ただし、どんな指標も絶対ではないことを常に意識して攻撃よりも防御を重視した戦い方を心掛けましょう。