チャートとは異なり、板情報を凝視し続けるのはかなりのHP(体力・精神力)を消耗します。
資金的な余裕があれば、身体への負担を軽減するための「目にやさしいPCモニター」にするのも1つの手です。
しかし、それ以上に板読みはチャートと合わせて行うのが効率的です。
ここでは「チャートと板読みの合わせ技」について解説します。
チャートとの合わせ技
デイトレは大きな値動きが発生する銘柄を監視して、チャンスが発生したらピンポイントで仕掛けを打ちます。
実は板読みと相性の良いテクニカル手法にライントレードというものがあります。
*ライントレードについては以下記事参照↓
売買の根拠として多くのトレーダーが意識するラインがあります。
・当日の最高値(当日SH)
・当日の最安値(当日SL)
・前日の最高値(前日SH)
・前日の最安値(前日SL)
*ラインとは抵抗線や支持線のようなものです。
ライン付近では多くのトレーダーが関わっている分、板情報にも分かりやすい変化が見られます。
*これは実在する3分足チャートです。
上図では前日SLを下抜けた途端に株価が急落しています。
*ライントレードはテクニカル分析を主体としたものです。
つまり、ローソク足チャートを見ながら「チャンスと思しきライン」に差し掛かった時だけ板読みを行えば効率的です。
そして、板情報を「最後の確認」として正確なエントリータイミングを測れば良いのです。
少し難易度は高いですが、ライン付近で発生する板の変化(歩み値含む)を読み切ることができれば、正しい方向に付ける確率が高まります。
ライントレード+板読み
上図のような暴落は注目銘柄では多々見かけますが、何の知識もなければまず仕掛けは打てません。
そこで必要になってくるのがライントレードの考え方です。
*重要な意味を持つラインの位置関係を把握することが第一歩です。
多くのトレーダーが意識しているラインの位置を把握すれば、値動きに大きな変化が発生する地点を予測できます。
したがって、チャートを分析する時はまずラインを引いて見ることが重要であり、ライントレードができる人にとっては次のように見えています。*オレンジの縦線は日付変更線
大きな変化が発生するポイント(青丸部分)が分かりますね。
ただし、ここで板読みができなければ、ローソク足チャートだけでエントリーすることになります。
一方、板読みができればライン付近で何が起きているのか把握でき、正確なエントリータイミングを測れます。
*慣れないうちはブロック(ローソク足)単位での仕掛けになりますが、これは板読みよりもアバウトなエントリーです。
板を読み続けるのは大変なので、上図のように重要な意味を持つライン(上図では当日の最安値)付近でエントリーする時だけ、エントリーの精度を高めるために板読みを行うということです。
対戦相手を意識せよ
ここで意外と意識できていない、「対戦相手」のことに触れておきます。
デイトレードで狙うはザラバを見ているデイトレーダーの反応です。
*1日目に買いを入れたカモはまだホールドしていて、パソコン画面の前にいる可能性が高いことを想定して板を読んでいきます。
*逆に、長期投資家がパソコン画面を見ている確率は低いので、株価がラインに差し掛かろうが、板上で何が起ころうが反応はありません。
板を読む時に想定すべき相手は次の通り。
①デイトレに参加している巨人
②デイトレに参加している個人
彼らの感情と行動パターンを把握することが板読みの狙いであり、このときスイングトレーダーや長期投資家の動きは基本的に無視します。
*雑音(ノイズ)と考えましょう。
繰り返しますが、長期投資家は画面を見ていない確率が高いので、巨人の見せ板やその他の値動きに反応しないからです。
デイトレードではモニターの前にいる者同士で資金の奪い合いをしているという認識が必要不可欠です。
まとめ
以上のことをまとめておきます。
①板読みで考えるべき対戦相手はデイトレードに参加している巨人と個人です。
このとき、時間軸が違うトレーダーの動きは雑音(ノイズ)として無視しましょう。
②板読みを行うタイミングは、株価が重要なライン付近に近づいてきた時に限定します。
そうすれば身体への負担を軽減できると共に、投資効率を高めることができます。