【板読み】見せ板とは？カモられないための必須知識を解説します。

板読みデイトレーダーに必須の知識がいくつかあります。

「見せ板」はその1つであり、知らないと簡単にワナに嵌められます。

この記事では見せ板の解説をします。

見せ板とは？

基本的な板情報の見方が分かっている前提で説明します。

次の板情報を見てみましょう↓

売数量	値段	買数量
1200	104
600	103
2000	102
1300	101
	100	356000
	99	397500
	98	298000
	97	315300
	96	1500
	95	5000

このような板を見た純粋なデイトレーダーは何を思うでしょう？

この板状況で目立つのは以下の赤字部分です↓

売数量	値段	買数量
1200	104
600	103
2000	102
1300	101
	100	356000
	99	397500
	98	298000
	97	315300
	96	1500
	95	5000

100～97円の買い板に数億円レベルの買い注文が入っていますよね。

ある程度は板が読める初心者トレーダーは次のように考えます。

「100円～97円の買い板が厚いので、下値は堅いぞ！ここから値段が下げることはそうないだろう。」

そして、101円で株を買いに行くでしょう。

しかし・・・

こんなに分かりやすいことが相場で起きるわけがありません。

こんな単純な行動で儲かるのであれば、誰でもできます。

もちろんこれはワナですよ。

誰が仕掛けたのでしょうか？

もちろん巨人に決まっています。

＊巨人＝大口投資家

奴らでなければ、数千万～億単位の買い注文を出せませんから。

巨人が仕掛けて来るこの手のワナを「見せ板」と言います。

ではこの見せ板で巨人は何がしたいのでしょうか？

先ほどワナにかかったカモトレーダーの思考を振り返ってみるとすぐに分かります。

「100円～97円の買い板が厚いので、下値は堅いぞ！ここから値段が下げることはそうないだろう。」

それが狙いです。

底堅いと思わせるためのフェイントを入れているのです。

そして、カモトレーダーは「チャンス」と勘違いし、売り板に出ている101円の株を買いに行きます。

もしかしたら102円に出ている売り注文も買っていくかもしれません。

数十万程度であればカモトレーダーであっても買える金額ですから。

すると板が次のように変化します↓

売数量	値段	買数量
1200	104
600	103
	102	295000
	101	326500
	100	356000
	99	397500
	98	2000
	97	3100
	96	1500
	95	5000

あれ？

今度は102～99円が底堅くなりました。

すると今度は次のカモBが先ほどのカモAと同じことを考え、103円、104円に出ている売り注文を買いに行きます。

このようにしてどんどん値段を吊り上げるのが巨人の見せ板という攻撃なのです。

カモトレーダーを安心させ、高値の株を売りつける奴ら巨人の常套手段なのです。

そして当然ですが、巨人は億単位の買いを本気で入れていません。

見せ板はフェイントで本当の狙いは保有中（もしくは空売り）の株をただ高値で売りたかっただけです。

巨人は本来の目的を果たすと見せ板注文をキャンセルしますから板情報は次のようになります。

売数量	値段	買数量
1200	104
600	103
	102	600
	101	500
	100	1300
	99	900
	98	2000
	97	3100
	96	1500
	95	5000

巨人は目的を果たしたので消えてしまいました。

カモトレーダーは高値で掴まされた株を持っていますが、この後さらに高値を買ってくれる人はいるのでしょうか？

誰もいなければもう値段はどちらに動くか分からないバクチゲームに突入です。

むしろ直前に買っている多くのカモによる損切りで株価は下がるでしょう。

根拠を失ったカモは損切りして損するだけです。

このように巨人は巨額の資金量にものを言わせて、何も考えていないカモをワナに嵌めることを生業としています。

ただ、巨人の動きは目立つので注意して見ていればすぐに分かります。

奴らが何をしているのか分かっていればワナにかかることもないのです。

板情報で読み取るべきは巨人の思考であり、何を仕掛けているのか察知することが第一目的です。

ここでは「見せ板」という攻撃パターンを理解することで、チャンスに見えるワナにかかることを避けましょう。