板読みトレードはライントレードとの相性が抜群です。
*ライントレードについては以下記事参照
・資金効率
・時間効率
・省エネトレード
板読みするならライントレードを使わない手はありません。
そこで、この記事では実際に「ライントレード+板読み」を行う時、どのようなことに注意すればよいかを解説します。
板読みデイトレード3つの基本
デイトレードの基本三原則は次の通りです。
①競争相手はデイトレーダーだと認識する
②その中でも巨人の動向を把握する
③カモとなる個人デイトレーダーから資金を巻き上げる
このことを理解した上で、株価が重要な意味をもつライン付近に来た時に板読みをしていきます。
板が読めない初心者の場合、エントリーする時に頼るものは分足チャートしかないため、実際の相場で何が起きているのかまでは分かっていません。
*テクニカルシグナルは遅行指標であり、デイトレのように瞬発力が求められる戦いには向いていません。
*また、チャートしか見ていないと現場の状況が分からないため簡単にカモになります。
この時点で初心者は、板が読める「ライン+板読みトレーダー」よりもかなり不利な立場にあります。
巨人の動向も分からないまま相場に資金を投げ込む行為はバクチ以外の何物でもなく、エントリーポイントもズレている上、運頼みの戦いになっています。
したがって、そのようなカモトレーダーが巨人のワナにかかり、資金を巻き上げられる瞬間を捉えることが板読みトレードの基本戦法となります。
では、具体的にどのように行動すれば良いのでしょうか?
まずは次のチャートを見てみましょう↓これはライントレードを解説した時のチャートですが、青丸の部分に注目してみましょう。
当日最高値(当日SH)は多くのデイトレーダーが意識する重要なラインであり、ライントレードでは価格がここを上へブレイクするのか、はたまた反転するのかを考えることになります。
この時にチャートしか見ていないカモトレーダーに比べ、板読みまで出来る板読みトレーダーの違いが出てきます。
確認すべき3つのポイント
重要ライン(抵抗線)に値段が撥ね返される時に板上で確認すべきことは主に次の3つです。
①サイズの小さな個人の買い注文が目立つ
②巨人の注文が出なくなる
③板が弱い
①サイズの小さな個人の買い注文が目立つ
板が読めないデイトレーダーには次のようなチャートを見て判断するしかありません↓このチャート形は上昇パターンの「取って付きカップ」に見えなくもないため、上昇の前兆と勘違いしたテクニカルカモトレーダーがエントリーしてきます。または次図黒丸部分で追っかけ空売りをしたカモトレーダーが損切りの買戻しをしてきます↓追っかけ買い&追っかけ空売りは最もやってはいけない典型的な負けパターンですが、このようなポイントで追っかけ空売りをするトレーダーは後を絶たちません。
これらは負け組が取る典型的な行動パターンであり、チャートだけを見てエントリーするといずれも損切りに終わってしまいます。
その最大の原因は、「なぜ値動きが発生するのか?」を考えていないからです。
*値が動くのは巨人の大きな資金量によるものであり、特にこのような短期的な値動きは奴らに支配されていることを分かっていないからです。
②巨人の注文が出なくなる
相場を動かしているのは巨人の出す大きなサイズの注文ですが、巨人がラインを上へブレイクさせる気がないのであればライン付近では奴らの積極的な動きが見られなくなります。
*巨人はその資金量にものを言わせ、一時的に相場を支配することができます。特に重要なライン付近の値動きを支配すれば、その後の値動きを変化させることに等しいのです。
このようなサイズの小さい注文ばかりが出るようだとラインは上へブレイクしないことが多いのです↓巨人は個人をワナに嵌め、ワナにかかったカモトレーダーの損切り注文を燃料にして利益を上げるので、ムダに個人にエントリーチャンスを与えるようなことはしません。
③板が弱い
そして、次に見るのが板の最前線↓
買い板の方が弱く、売り板を落としてもそこに買い注文が続かず、板上の主導権を取れていません。
*見せ板などの特殊な状況でないことは前提とします。
そして、巨人のワナにかかったトレーダーは損切りする間もなく急落に巻き込まれ、身動きが取れなくなるのです↓*チャートだけを見て判断していては急落に巻き込まれてしまいます。
まとめ
これがデイトレで起きている巨人と個人の戦いの実体です。
巨人が値動きを支配している以上、個人がまともに戦っても勝ち目はありません。
個人レベルの資金で利益を上げるためには巨人の動向を把握し、ワナにかかった個人から資金を巻き上げる他ないのです。
*デイトレの競争相手はデイトレーダーであり、巨人には勝てないため、残るは個人に勝つしかないのです。
*そしてワナにかかる個人はたいてい板が読めず、チャート形だけで判断しているという現状です。
*テクニカルシグナルを唯一の指標として信望してしまうと現場で実際に起きていることよりも反応が遅れてしまうため、値動きが支配できる巨人や、その巨人の動向を把握できている板読みトレーダーには勝てないのです
いくらテクニカルチャートの研究をしても結果が出ない理由はここにあります。
まさに知る者と知らざる者との差が出てしまうため、早くこのことに気付き、行動を修正することが望ましいでしょう。