企業による不正が常態化している現代社会において、投資家は常に暴落の危機に晒されています。

 

 

一般的に、東証1部の大企業銘柄であれば日経平均につられるように上昇していきます。

 

 

保有中の銘柄に含み益が乗っていく様を観察するのは実に気持ちが良いものです。

 

 

「オレの選定眼は確かだった」と鼻高々の個人投資家もいることでしょう。

 

 

しかし彼らが資金を増やせないのは売り時を知らないからです。

 

 

含み益は利益ではなく、含み損は損失ではありません。

 

 

したがって、保有しているだけで何もしなければ資産は増えません。

 

 

 

負け組投資家の売買行動は感情によってなされるものですから、彼らが株を売却するのはたいていビビった時。

 

 

そしてその時は予期せず訪れるということも(勝ち組投資家には)周知の事実です。

 

 

 

 

(ある日)

 

新兵「兵長、ただいまニュースが入りました。

 

神戸製鋼所(5406)がアルミ・銅製品などの品質管理データを改ざんしていた模様です。」

 

 

兵士長「不正発覚か。

 

お前はそのニュースを聞いて何を思う?」

 

 

新兵「おそらく神戸製鋼の株価が暴落します。」

 

 

 

兵士長「『ほぼ確実に』暴落するだろうな。

 

それはなぜだと思う?」

 

 

新兵「大半の負け組投資家たちが恐怖心によって売却行動を取るからです。」

 

 

兵士長「そんな時にお前はどうするつもりだ?」

 

 

新兵「暴落の程度にもよりますが、リバウンド戦略を駆使して資産構築用の建玉練習に出かけようと思います。」

 

 

兵士長「買い向かうということか?」

 

 

新兵「はい、大衆がパニック行動を取る時こそ大きな利益を上げるチャンスだからです。」

 

 

兵士長「なかなか分かってきたじゃないか。

 

まあ暴落(=チャンス)は滅多に起きないから約定値操作の練習だと思って戦ってみればいい。

 

神戸製鋼の株価はどうなってる?」

 

 

新兵「次のように暴落しています。」

 

 

 

新兵「本日はストップ安で寄り付きそうにありません。」

 

 

兵士長「そうか、では神戸製鋼の件は明日以降に持ち越しだな。」

 

 

 

(翌日)

 

 

兵士長「昨日の巨人はどうなった?」

 

 

新兵「寄り付きと同時に200株ほど打診買いを入れました。」

 

 

 

新兵「チャート上では次の位置になります。」

 

 

 

兵士長「寄り付きで200株ということは、888円×200=177,600円。

約18万投入したわけだな?」

 

 

新兵「はい、上昇したらすぐに決済します。」

 

 

兵士長「そう簡単に上昇すればいいがな・・・。」

 

 

新兵「下げた場合は追撃して平均約定値を下げにいきますので大丈夫です。」

 

 

兵士長「そうか、明日以降が楽しみだな。」

 

 

 

(翌日)

 

 

新兵「今日はあまり動きがないので何もすることはなさそうです。」

 

兵士長「そうか。」

 

 

 

(翌日)

 

 

 

 

 

新兵「株価が下げてきたので追撃で100株ほど買い増ししました。

 

805円で100株追加し、現在300株を保有しています。

 

 

 

平均約定値は860円であります。」

 

 

兵士長「・・・・・。

 

100株だけか?」

 

 

新兵「はい、まだ下がる可能性があるので、ここは様子見の100株買い増しを行い、さらに下げたら買い増していくつもりです。」

 

 

兵士長「そうか。」

 

 

 

 

(翌日)

 

 

 

 

新兵「兵長、少し切り返してきましたが、思ったほどリバウンドしません。

 

さらには神戸製鉄の新たな不正が発覚し、被害が拡大しているようです。

 

ここからさらなる暴落があるかもしれないのでこれ以上の追加投入は止めた方がいいでしょうか?」

 

 

 

兵士長「ニュースがどう騒ごうと関係ない。お前は株価に忠実な建玉操作をすれば問題ない。

 

それに乖離率は-30を超えているんだろ。

 

ここから下げたところでたかが知れていると思うが、株価はどうなってる?」

 

 

新兵「次のようになってます。」

 

 

 

 

兵士長「もうリバウンドがはじまっているじゃないか。

 

お前の建玉は十分に約定値を下げれていないようだな。」

 

 

新兵「はい、2打目が少なすぎたようです。さらなる下落を警戒して100株しか投入できませんでした。」

 

 

兵士長「どうやらそのようだな。

 

リバウンド狙いの建玉は基本的に安値になるほど株数を増やすものだ。そうすることで平均約定値を有利に(安く)設定することができる。

 

したがって、1打目を100株で打診するか、もしくは1打目に200株投入したのであれば、2打目は少なくとも200株は投入すべきだった。

 

知らなかったわけではないだろ?」

 

 

新兵「はい、今思えば1打目で200株は欲張り過ぎたようです。

 

すぐにリバウンドが開始した場合に利益を大きくしたいという気持ちがこのような行動につながったと思います。」

 

 

兵士長「さらには2打目に株数を増やせなかったのは恐怖心によるものか?」

 

 

新兵「その通りです。

 

もしまだ下がったら、リバウンドしなかったらという思いが頭をよぎり、100株の投入で精一杯でした。」

 

 

兵士長「建玉操作を実践し始めの頃にはよくあることだ。

 

下げればその分含み損も大きくなり、拡大する含み損にビビって正常な投資行動がとれない初心者は多い。

 

さらには投資先も資産構築に向いているとは思えないしな。

 

まあ、まだ実戦を始めたばかりだから資金量が少ないうちに自分の感情とよく向き合い、学びを深めておくことだ。」

 

 

新兵「はい・・・。

 

この建玉はどうすればよいでしょうか?」

 

 

兵士長「もう少し様子を見て、含み損が解消されたら撤退しておけ。ミスったら撤退するという決断もまた必要だ。」

 

 

新兵「分かりました。」

 

 

 

 

(翌日)

 

 

 

 

 

 

新兵「兵長、もう少しリバウンドしてくれたので何とかプラスで決済することができました。

 

トレード結果は次のようになりました。」

 

 

 

新兵「1打目が2940円の損失となり、2打目が6770円の利益となったので、このトレードのトータル損益は+3830円となりました。」

 

 

兵士長「建玉操作をミスった割には良い結果で良かったな。」

 

 

新兵「まともな行動が取れていたらと思うと悔しいですが、プラスで終われて良かったです。」

 

 

兵士長「今回は銘柄選定が資産構築用ではなかったからお前の恐怖心も仕方がないのかもしれないな。

 

優良銘柄という安定した土壌の上であれば、精神的にもかなりラクなはずだ。

 

また1つ経験になったのならそれで良しとしておけ。」